同じようで違う病気

白衣を着た医師

大きな違い

実際に何か内科的な病気にかかっている訳ではないという点では身体化障害もミュンヒハウゼン症候群もよく似ていますが、実態は全く異なるものと考えてもいいかもしれません。身体表現性障害の身体化障害は、心の病が原因です。自分の事を、誰かに助けて欲しい、気にして欲しい、大事にして欲しいという要求や、重要なプロジェクトや行事の時に体調を崩して、その責任や重圧から逃れたいと思った時に発症します。この時、頭痛や腹痛など、体に苦痛が起きるのが身体化障害の特徴です。一方のミュンヒハウゼン症候群ですが、こちらは体に症状が出ることはなく、患者の言う症状は殆どがでっち上げで、実態のないものです。こちらも誰かの気を引きたい、誰かに大事にされたい、同情されたいというような心理的なものが大きいのですが、こちらは、どちらかと言うとパーソナリティ障害と呼ばれる人格障害との関係が指摘されています。

重要な病気を見逃す

身体表現性障害の身体化障害もミュンヒハウゼン症候群も、実際には何の疾患も無いと言われていますが、いつも調子が悪いと言っていて、本人のいうことを周りが信じられず、また病名が判明して、精神疾患であるということが理解されると、その後の傷みの訴えなどは軽視されることがあります。実は、どちらの病気も殆どは精神面での治療を行えば軽減されるのですが、稀に本当に何らか内科系や外科系の病気を併発していて、それによる傷みや苦痛を受けている場合があります。それらを見逃すことにより、軽い処置で済むはずだったものが、長期の入院が必要になる場合もあるので、周りの方は気をつける必要があります。また、これらの精神疾患を患っている人の、特に治療中の方は、これが普段の障害と異なるということに気がついて、早めに診断を受けるようにすると、重篤な症状に発展することを避けることが可能です。

大変な病気です

ここまで見ると、ミュンヒハウゼン症候群は嘘つきの病気、身体表現性障害の身体化障害はサポートしてあげなければいけない病気というように見えますが、実際はどちらも大変な病気です。身体表現性障害が心の病であるように、ミュンヒハウゼン症候群もまた、心の病なのです。心の病を治療するには、精神面での周りからのサポート、きちんと治療のできる医師との出会いが必要不可欠です。ただ、病気が違えば治療へのアプローチは大きく異なるため、患者さんも周りの方も、今までの行動を良く見つめなおして行くことが大切です。